気軽な手みやげとて神饌を意識すれば!?
年々日本人が培って来た物事の良さが薄れていくようで心配だ。日本では、古くからモノを贈ったり、贈られたりする文化を当たり前のように行って来ており、それで人と人との結びつきが強化されていた。年に二回、中元と歳暮を贈るのもその一つでの事例で、かつてはこれが習慣的になっていたのだ。それがいつの頃からか、簡素化され、虚礼廃止の声に押されるかのように次第に贈り物が行き交うことが少なくなってしまった。“贈答”について調べると、贈は贈るを意味し、答はお返しを指すとある。モノをもらったことに対してお返しをするのは当然で、これが日本の良き風習とされていた。つまりお礼と感謝の気持ちを伝える文化が、この国には根づいていたということだ。