寒仕込みや寒造りがいい印象を与えるのは…
冬場に六甲山から見る夜景が好きである。空気が澄んでおり、乾燥しているから灯りが美しく映える。この時季は、少々寒くても自然を観賞するのにはうってつけ。空気がきれいなのでより感動をもたらすのだ。同じような理由から日本では古来より寒の時季に醸造文化が発展して来た。“寒仕込み”なる言葉は、日本酒業界ではおなじみになったが、味噌や醤油業界も同様で、寒の時季に造るのがいいとされている。そもそも寒仕込みとは、日本酒業界で使われている“寒造り”がもとになっていると伝えられている。それが味噌や醤油の造りの中でも用いられるようになって、日本の醸造=寒仕込みというフレーズが一般的となった。寒仕込みの言葉の意味を紐解くと、味噌や醤油、酒を寒い時期に仕込むこととある。寒の時季は、雑菌が繁殖しにくく、物が腐りにくいのでゆっくりと発酵や熟成するのには丁度いいのだ。