NHK大河ドラマ「いだてん」を観ていると、一般的歴史大河とは異なり、オリンピックにまつわる色んな話が出て来て面白い。視聴率は低調だそうだが、ありふれた戦国ものや幕末ものと違って知らなかった話を続々と教えてくれるのだ。そもそも同ドラマは、来夏の東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げる意味で企画されたものと推測される。猛暑をどう乗り切るかなど、場外的議論が白熱している一方、本論はスポーツの大会をいかに楽しむべきかにあるのだろう。
夏の暑さばかりが取り沙汰される東京開催だが、ふと考えてみると、昭和39年(1966)に行われ続けた前東京オリンピックは、確か秋時期の実施ではなかったか。その証拠に東京オリンピック開会式が体育の日の由来になっている。東京、メキシコと10月開催だったオリンピックがその次のミュンヘンでは8月末開催になり、モントリオールでは7月に開かれている。秋の大会がいつのまにか夏になったのかと思いきや前東京大会の一つ前になるローマは8月末、1932年のロサンゼルスから1952年のヘルシンキまでも4回連続して夏に行われている。「10月10日は晴れやすいから前東京オリンピックの開会式となった」との噂も出ているようだが、それは嘘で、気象庁のデータ上では、特に晴れやすい(特異日)とは示されていない。