日本には農耕文化が根づいている。殊に米は重要で、今でいうお金のように用いられたり、税としても活用されている。かつての大名は百万石とかいって、石高で表すのもその地域の米の収穫量を物語っているのだ。地方へ行くと、棚田百選に選ばれた美しい景色に出遭う。これとて米の文化を象徴したもので、狭いながらも土地を工夫して稲作を行ったー、その日本独特の土地の使い方が今や美しい風景として語られているのだ。先日、九州の棚田を眺めていた時に、「棚田は田んぼですか?畑ですか?」と尋ねられた。基本的な説明をしておくと、棚田とはその字が示す通り田んぼを指す。では畑はどう呼ぶかというと、誰もがご存知の段々畑となる。段々畑は野菜などを作る畑のことで、棚田は同じ様に見えても形が違っており、水を張れるように畦が作られ、その部分が田んぼより高くなっているのだ。