味噌は大きく分けると米・麦・豆の3種類になります。
これは主成分となる原材料の種類です。どの味噌にも大豆は使用されますが、それ以外に用いる原材料、つまり米糀を使う味噌は米味噌、麦麹を使う味噌は麦味噌、そして大豆を全て麹にして仕込む味噌を豆味噌と言います。
日本全国の分布では西側の四国の愛媛県から本州の山口県、九州全域が麦味噌の地域です。中央の東海地方の愛知県、岐阜県、静岡県の一部が豆味噌の地域、それ以外の地域が米味噌です。米味噌が一番多く造られていると言えます。
その米味噌にも各地域により味に特徴があります。北海道、東北、信州等、冬の寒い地域の米味噌は辛く、近畿や中国地方と西南に行くほど甘くなります。これは気候風土との関係で、寒い地方では体を温める「塩」が必要なため、自ずと塩分が高い味噌を造るようになったと言えましょう。
さらに米味噌を大きく分けると「赤味噌」と「白味噌」になります。単純に言えば色の赤い(赤というよりは茶褐色です)味噌が赤味噌、白いものを白味噌と言いますが、この呼び方も地域によって違ってきます。関西では米味噌のよく熟成し色の濃くなったものを赤味噌と呼びますが、名古屋周辺では八丁味噌のような豆味噌も赤味噌と呼ばれています。
一方の白味噌も地域によって内容が変わってきます。関西では正月の雑煮に用いる、糀を多く用いた極端に塩度の低い味噌を白味噌(または甘味噌)と言います。関東では信州系の淡色の米味噌を白味噌と言うようです。関東で白味噌と言われる味噌は塩辛く甘くはありません。
赤味噌も白味噌も原材料は大豆と米糀です。ただ糀を作る菌の種類、仕込み方、熟成期間に違いがあります。赤味噌の糀菌は旨味を出すもので、ゆっくりと熟成させる必要があります。白味噌の糀菌は甘味を出すもので比較的早くに甘味を作り出します。ですから米糀が多いほど甘い味噌ができるのです。